あなたの左手、 私の右手。

「おやすみなさい」
私はノートを抱きしめながらホテルの自分の部屋のキーを開けた。

『ビーッビーッ!』
部屋に入った途端、急にホテルの警報が鳴り始める。
大音量の警報音に私は何が起きたのかわからずその場に立ち尽くす。

何が起きたの・・・!


部屋のライトも急に非常電源に切り替わり、薄暗くなる。

「赤名っ!」
扉の向こうから先輩の声が聞こえた。

私は手に持っていたものを床に落として、扉を開けようとする。