あなたの左手、 私の右手。

「カステラケーキ?」
付箋を貼っていたのはカステラケーキ。
一口サイズのものから、かなり大きなサイズのものもある。
カステラにクリームが挟まれているケーキは果物が挟まれている。

「このカステラのしっとり感と、バタークリームが絶妙らしくて食べてみたいんです!」
先輩は私が書いたメモを真剣に見ている。

先輩の反応が気になる。

「いいやん!行こう!」
目をキラキラとさせる先輩に私もうれしくなる。
「まだ見つかってないメインに、なるかもしれないな」
「はいっ!」
「じゃあ、明日。」
「はい」
「おやすみ、出かけるなよ?危ないからな」
この言葉も先輩は毎晩私に言う。