あなたの左手、 私の右手。

「俺もまだまだやな。」
「じゃあ、私は生まれたての赤ちゃんレベルですね。」
「どういうこっちゃ」
先輩がふっと笑って私の方を見る。

その笑顔が急に真剣な顔になった。

「今回の出張で実感したわ、お前とペアになれてよかった。」

急な言葉に、一瞬時が止まったかのように感じる。

「こんなに大食いの女いないやろ」

空気を一瞬でまた変えてしまう先輩。

「ひどい・・・」
「ははっ事実や」
私たちを乗せたタクシーは大阪の夜の街を走りホテルへ向かっている。

タクシーの中の空気が先輩のつくり出す不思議な温かさがあった。