あなたの左手、 私の右手。

「でっかい失敗しとるからな。人にアドバイスできる身分と違うねん。」
「でっかい失敗?」
「そう。詳しくは聞くな。傷痛むから。」
「離婚ですか・・・」
「ちゃうわ。まだ結婚したことないわ。」
それ以上聞けなかったのは、どこかに踏み込んだらいけないような雰囲気を感じたからだ。

これだけ一緒にいても、いろいろと話をしていても、お互いのことを知り始めても、やっぱり私たちはまだまだ見えない壁と距離があるのだと実感した。

私だってそうだ。

まだ先輩に言えない過去がある。

それはそうだ。

だって私たちは恋人でも恋愛関係でもなんでもない。
ただの仕事のペアなんだから。