「いいえ。むしろこの状況を楽しんでます。おばあちゃんには申し訳ないですけど、お土産買って許してもらいます。」
仕事に思い切り打ち込める状況でもある。

この出張では先輩の足を引っ張らずに頑張りたいと勢い込んでいる。

私たちはかなり過密なスケジュールで挨拶周りをしたり、新規の契約をとれるようにリサーチをして回った。
夜は今年の一番の目玉になる企画を請け負ってくれた企業との懇親会もあった。

「いいか、俺のそばから離れないこと。この会社の社長はセクハラで有名らしいんや。前につかまった社員がひどい目にあったからな。そばにいらんくなると守れん。」
「はい。」
私たちは会場になる居酒屋に入った。

さっそく先輩の後ろにぴったりとくっついて店内に入り、先方にも先輩の後ろから挨拶をした。