あなたの左手、 私の右手。

深呼吸をしていつもとは違う電車に乗り込んだ。
朝のラッシュの時間は過ぎていてもやっぱり混んでいる車内。

今日は直接空港に待ち合わせにしている。

電車に乗っている時間も今日はいつもよりも長い。
私は隙を見つけては、自分の体勢を守りやすい場所へ移動しようと試みた。

つり革をつかむことは背の低い私にとっては現実的ではない。
一番は座席に座るか、ドア側により、手すりにつかむことが目標だ。

いつもの満員電車よりは身動きがとりやすい車内で私は必死に足を動かし、体をねじ込んだ。

いくつかの駅を過ぎたところで私にチャンスが巡ってきて、私は無事に窓際の手すりにつかむことができた。

ほっと一息つきながら、何となく、一人で電車に乗ることに違和感を感じる。

いつもは先輩がいるのに、今日はいない。

自分でも意外なほどに物足りなさを感じる自分がいた。