あなたの左手、 私の右手。

この仕事に就いてよかった。

心からそう思った。



結局忙しくて、昼食を食べる余裕もなかった私と先輩。

「悪かったな、昼ごはんも食べる余裕なかったな。」
「いいえ。大丈夫です。楽しかったです。」
「楽しかった?」
デパートは閉まっても、翌日のパンフレットを用意したり、来客人数の集計をしたりという仕事がまだ残っている。
先輩と私はパンフレットの束をほどき、並べながら話した。

「たくさんのお客様からイベントを感謝される言葉や、作品への感想をいただいて、あーこの仕事をしてよかったって思ったんです。私も、こんな風に誰かに喜ばれるイベントを企画して、実現させたいって強く思いました。」
つい熱く語ってしまった自分が少し恥ずかしくなって、作業をしている手の方に視線を向けると、先輩の大きな手が私の方に伸びて来た。