あなたの左手、 私の右手。

「ほかのフロアの状況まで把握する広い視野を持つ必要があるからな。」
「勉強になります!」
私の返事に先輩は笑いながら、私の頭を撫でた。

ちょうどいい高さに私の頭があるからか、先輩はこうしてよく私の頭を撫でる。

「まっ少しずつだな。赤名は入社してからかなりペース飛ばして俺の仕事についてきてくれてるけど、抜くとこで力抜かないともたないぞ。」
「はい。大丈夫です!私、体力には自信があるんで!」
「ばかっ、お前声がでかいぞ。」
「すみません」
「もう少ししたら順番で休憩とろうな。」
「はい」
先輩はそう言ってフロアの奥に戻って行った。

「いらっしゃいませ」
次々にくるお客様に挨拶をしながら私は精一杯対応をした。