あなたの左手、 私の右手。

私たちはもうすぐ引っ越しをすることになっている。
先輩の住んでいたマンションから、私の実家へと引っ越しをすることを決めたのは先輩だった。

私は一人であの家に住む自信がなかった。
管理することだけじゃなく、一人であの広い家に住むことで悲しい思い出をいつまでも忘れられないのではないかと、不安だった。

そんな私に、実家へ引っ越そうと提案した先輩。

『一人では乗り越えられないことも、二人なら乗り越えられる。』
そう言って、これから先もずっと一緒にいてほしいと、プロポーズをしてくれた。
生まれ育った実家をほかの誰かに渡すことや、両親やおばあちゃんの想いが詰まった場所を離れることに対しては迷いがあった私に、決断する勇気を後押ししてくれた先輩。

まだまだ私たちは付き合ってから日が浅い。
でも二人で一緒にいた時間はもっともっと、ずっとずっと一緒にいたかのように思える。