あなたの左手、 私の右手。

「かぶりついていいんですか?」
「ここではやめろよ?俺の部屋ついてからにしてくれ。かぶりつく瞬間を写真撮りたいからな。」
そう言って先輩は笑いながら、車を進めた。

先輩なりの気遣いだと気づいてる。

緊張している私の心を知って、前もってその緊張をほぐすために用意してくれたんだ、きっと。

「これ、何味にしたんですか?」
私も先輩の気持ちをちゃんとキャッチして、こたえてみせる。
「何がよかった?一つはスタンダードなやつやろ?それから。」
ハンドルを握りながら嬉しそうに話をする先輩に、思わず私も笑う。

「ちなみに何味が食べたかった?」
先輩が買ってくれた種類はまさしく私が食べたいと思っていた種類で、そこまで知ってくれていることに私は笑いがとまらなかった。