辺りが少し明るくなったころ、ふと抱きしめていたぬくもりがなくなったことに気が付き目を開けるとそこに彼女がいなかった。

急いで布団から出る。

彼女はおばあちゃんの遺体の横で喪服姿で座っていた。

「すぐ支度するな。」
「・・・はい」
声をかけたものの彼女は相変わらず青い顔をして、悲しみに満ちた顔をしている。

俺は彼女の隣に座り、彼女の肩を抱いた。

「おばあちゃん・・・最後の日に私が大好きなおこわ、作ってくれたんです。」
「・・・うん」
彼女は小さな、今にも消えそうな声で話始めた。