あなたの左手、 私の右手。

どんなに仕事ができても、成績として認められても、俺は満たされた気持ちになったことがない。

大切な人を守れなくて、支えられなくて、うまく気の利いた言葉も言えなくて、愛情表現だってへたくそで。そんな自分にいつだって満足も納得もできない。むしろ劣等感ばかり感じている。

自分を変えたい。

いや、違う。
今抱きしめている彼女の、赤名美羽のために俺は変わりたい。

俺は隣で安らかに眠っている赤名のおばあちゃんに向かって心から誓った。

彼女を支えると。俺は変わると。彼女をしっかり支えて守れる存在になると。

違う。
”なりたい”のだと。