あなたの左手、 私の右手。

「さっそく仕事しましょう。ここからはペアごとに仕事やフロアの説明よろしくね。」
主任の言葉に黒谷先輩が私を見る。
「行くぞ」
「はい」
さっそくイベント会場から私は黒谷先輩と一緒に企画執行部のフロアへと移動した。

先輩と私の足の長さの違いで、先輩は私が3歩くらいかかるところへ1歩で行ってしまう。

私は先輩にほとんど走るようにしてついて行った。

『ドンッ!』
先輩に追いつきことに必死になりすぎて、先輩が立ち止まったのに気づかず派手に先輩にぶつかってしまった。
「すみませんっ!」
慌てて頭を下げると先輩は「ぷっ」と笑った。

「悪い。早く歩きすぎたな。今までペア組んでたのが俺よりでかい男だったから。」
「いえ!大丈夫です!」
まただ・・・。不意に見せる無邪気な表情に、女子ならば誰でも胸がきゅんとしてしまうだろう。でもここは職場だ。そんな場合じゃない。一生懸命仕事をしないとと自分に喝を入れながら私は先輩を見上げた。