あなたの左手、 私の右手。

「一緒に歩きたいです。私も。先輩と。」
早口に告げて、私も大きな口でおにぎりを口に頬張る。

私の言葉に驚いたように私を見た先輩。

「だな。」

照れて視線を合わせない私に笑いながら、先輩はまた一口大きくおにぎりを頬張った。

「赤名が治ったら、リサーチにも行きたいな。おいしい店、一緒に行きたい場所、たくさんある。」
今日は私の体調を気遣って、先輩が私の分もコンビニでおにぎりやスープを買ってきてくれた。
それを私たちのデスクで食べている。

ほかの社員のいない空っぽの企画執行部のフロア。

「はい。」
書類であふれた殺伐としたフロアも、今までとは全く違って見えた。