あなたの左手、 私の右手。

「今は赤名のおばあちゃんのことが最優先だ。俺に遠慮はすることないし、赤名が抜けても必ずちゃんとフォローする。安心して任せろ。」
「はい。でも、甘えてばかりじゃなく、私にできることはちゃんとやらせてください。私の気がすみません。じゃないと。」
「お前の性格なんだな、それ。甘え下手。」
一緒に先輩と食事をしながらこれからの話をする。

「すみません。」
「まっ、俺がストップかけるから大丈夫だけど。思いのままにやればいい。俺が隣で様子見て、必要なら止める。正々堂々とそばに居られるからな。これからは。」
さらりとそんなことを言う先輩に思わず私は食べていたおにぎりを落としそうになった。

「今度、赤名の体調が戻ったら一緒に出掛けよう。仕事じゃなくて。ちゃんと。俺はこう見えてちゃんと段階を踏みたい男だからな。何回かデートしてからじゃないと、無責任に二人の関係に名前が付くような言葉は言えない。」
先輩は大きな口でおにぎりを頬張った。