あなたの左手、 私の右手。

「私たちはイベントフロアの運営をしながら、次の企画を探したり、イベントに参加してくれそうな企業を新規開拓したりしています。まぁ、同時進行でいくつもの仕事をしないとならないから常に私たちの部署は人手不足に悩まされています。」
淡々と話をする女性。
私よりも10歳は年上だろうか・・・。

「かなりきつい部署であることはこの部署に勤務して15年の私が身をもって実感しています。」
その言葉に私の両脇にいた新人の男性たちの体に力がこもるのが分かった。
「でも、私はこのデパートの命ともいえる重要な部署であると思うし、このデパートの顔でもあるように思っています。そんな部署で働けることを私は誇りに思っています。」
「・・・」
艶やかな微笑みを浮かべながら言うその女性は企画執行部の主任らしい。

「かなりきつい部署で、やめてしまう人も多いけど、でも絶対にやりがいが大きいし、得られるものも多い部署だから、どうか私たちと同じチームになって戦ってほしいと思っています。」
言葉の深みに私たちはしゃきっと背筋の伸びるような感情を感じた。

「先輩、新人をビビらせすぎっすよ」
その時私たちの背後から聞き覚えのある声が聞こえた。