あなたの左手、 私の右手。

「俺も、企画執行部の社員。」
とその男性は再び笑った。


45階でエレベーターを降りたのは私とこの男性だけ。

『45階お願いします』男性の声で聞こえた声は、この男性の声だったのだと気づいた。

「・・・」
驚きに言葉がでないでいると男性は笑いながら私を抜かして歩き出した。

私よりも前に出たところで振り返ると男性は無邪気に笑ったまま「行くぞ、新人」と言ってからまた正面を見て歩き出した。

「はいっ!」
私はその大きな背中について歩いていく。



これが私と黒谷修平。つまり先輩との出会いだった。