あなたの左手、 私の右手。

「おばあちゃん、お腹すいてない?」
「・・・」
返事がないことも多い。

「おばあちゃんに教えてもらった肉じゃがを作ったの。新じゃがが安くてね?食べる?」
返事がなくても私は話かけるようにしていた。
おばあちゃんは不自由な足でゆっくりと歩き出し、台所へ向かった。

冷蔵庫を開けてぼーっと中身を見つめる。

いつでも食材はたくさんいれるようにしていた。
おばあちゃんが食べたいものをいつでも食べられるように。

その中からおばあちゃんはあんこを見つけて手に取る。

「あんこが食べたいの?おしるこでも作ろうか。」
何だっていい。口にしてくれればなんだって。