あなたの左手、 私の右手。

週に一度のショートステイの日は朝から晩まで仕事をして、帰宅してから普段できない場所の掃除を済ませたり、一週間分の常備菜や保存食を作った。

デイサービスの利用が増えたおばあちゃんの持ち物の用意や、所持品に名前を書いたり必要なものをそろえることもできる時間を見つけてやらなければならなかった。

「顔色、よくない。」
脚立にのぼり看板をつけている先輩に必要な器具を渡しながら私は「いえ、元気ですよ?やる気に満ち溢れています!」そう返事をすると先輩は困ったように笑った。

先輩はきっといろいろと気づいている。
私に預ける仕事の量が極端に減ったことに私は気付いている。
私が定時で上がれるように段取りをしてくれたり、私が帰宅しやすいように先輩も定時で帰宅し、家できっと仕事をしているのだろう。

就職してからずっと先輩とペアを組んで仕事をしてきたからこそわかる。

でも今は先輩に甘えようと決めている。
その分気づいた仕事はする。先輩が私を気遣って、自分のデスクに積み上げている仕事の中から私もできる限りこなせるようにしている。