あなたの左手、 私の右手。

『赤名。』
「・・・はい・・・」
『美羽』
「はい・・」
『大丈夫だ、よかったな。もうすぐ会えるから。今は深呼吸して待っとけ。』
先輩はそう言って電話を切った。私はすぐに家の戸締りをして玄関に座り、おばあちゃんを探してくれている人に連絡をして先輩を待った。

家の前に車がとまる音がして、立ち上がり玄関から飛び出す。

「玄関しめてこい。行こうな。」
先輩の顔を見たら、涙があふれ出した。

玄関のカギを閉めて、助手席に座りながら、私は流れて止まらない涙を拭う。

はやる気持ちを抑えながら車の外を見ていると、ギュッと握りしめていた自分の手を熱い何かに包まれた。ふと視線を移すと、そこには先輩の大きな手が私の手を包み込むようにしてくれていた。