あなたの左手、 私の右手。

「よしっ!」
ビルの前で気合を入れると私はビルの中に入った。

社員がこのビルに入るのはメインの自動ドアとは違う。
でも、職員だけでもかなりの人数がいる【ASAKAWA】。
私よりも歩くスピードの速い人たちがどんどんと私を抜かしていく。

そして順番に並びエレベーターに乗り込んでいく。

私は負けじとそのエレベーターに並んだ。

自然と列ができているエレベーター前。次々に到着するエレベーターに列から職員が乗り込んでいく。

ここで並ぶ時間も考えて出勤しないとだめなのだと知りながら腕時計を見るとまだ時間に余裕があった。

明日もやっぱりこの時間に出勤しよう。
そんなことを考えていると、すぐに私の番が来た。

思ったよりも人数より時間がかからずに済みそうだ。