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side弥生彰人

キス…してしまった。

梨花と二人バス停に向かう中、俺は無意識に自分の唇を触れた。

チラリと横を見ると、恥ずかしいらしく、こちらを向いてくれない梨花がいた。

「梨花。」

俺は自分の彼女の名前を呼ぶ。
すると、恥ずかしそうに梨花はこちらを向いた。

その顔があまりにも可愛くて、俺は彼女にキスをする。

唇を離すと、梨花はまた、恥ずかしそうに

「もう!彰人くんってば、どれだけ私を照れさせれば気が済むの?」

と言った。

気が済むことなんて一生ないよ。
あまりにも照れた君が可愛すぎるから。
もちろん、照れてない君も可愛いけど。

俺は、そんな気持ちを乗せて、意地悪に笑い、

「ナイショ。」

と言った。