私は彼とあくまでも友達になりたい

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「まぁ、一緒に回れないのは残念だけど、後夜祭は一緒に過ごそうな。」

弥生くんは私に向かってそう言った。

「うん!もともとその約束だったしね。」

長濱高校の後夜祭はキャンプファイヤーを炊き、その周りで生徒たちが自由に過ごす。
飲み物や食べ物の残りなんかも安値で売られて、生徒限定の文化祭のようになる。

もちろん、キャンプファイヤーの周りにいなくてもいいし、帰ってもいい。
自由参加型のイベントになる。

空き教室なんかで過ごせば、弥生くんといることも目立たずに済むだろう。

バレたら大変だもんね。弥生くんがなんでこんな元気が取り柄だけの平凡女子と付き合ってんの!?ってなるのは避けたい。

「楽しみだなぁ。」

私は思わず自分の気持ちが口から漏れる。

「俺も。」

弥生くんも同調してくれた。