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side弥生彰人

──恋、か。

雨が止んだ空の下、俺は傘をたたみながら恋について考える。

俺は、西窪に確実に恋している。

素直なところも、はにかむような笑顔も、英語ができないところも、鼻をかすめるひだまりの香りも…。
全部可愛いと思うし、大好きだ。

彼女に恋した理由は、あんなに自然体の人を初めて見たからかもしれない。

自分でも、あまりよくわかっていなかった。

ただ、そんなことはどうでもよくて、彼女のことをもっと知りたかった。

そんな俺の視界には、掲示板が映る。花火のイラストがでかでかと描かれたポスター。

長濱祭りのポスターだ。
西窪と行けたのなら、もっと彼女のことを知れるかもしれない。

次の委員会のとき、誘ってみようかな。