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side弥生彰人

顔面レシーブ…。

俺はそのときの様子を思い出して、また笑う。
食べ終わった優勝景品のアイスの棒を見ながら。

こうやって一人で笑っていても、こちらを見る人も、隣で、「どうした?」と聞いてくる人も俺にはいない。

それは望んでしていることだ。
"あのとき"みたいなことが起きないように…と。

西窪梨花。彼女なら、"あのとき"の話を聞いたなら、なんて言ってくれるだろうか。

…まぁ、話すつもりはない。
カッコ悪いところは見せたくないから。

喧騒の増す教室の中、アイスの棒を捨てようと俺は席を立った。