そのあと、帰ってきたお母さんが作った夕飯を食べて、お風呂に入った。

普段通り元気に過ごしてたつもりだったけど、姉に「元気ないね。」と言われた。
知らんぷりしたが。

今は自室にいる。数学の課題をしようと思っていたのだが、どうにも内容は頭に入ってこない。

それに、今日は泣いたからか、まだ9時だったが、眠かった。

──今日はもう寝ようかな。

そう思い勉強机を離れようとした瞬間。

私のスマホが音を鳴らした。

誰だろう?

私はのそのそとスマホ画面を覗き込む。

〈『弥生』からメッセージが来ています。〉

画面には、彼の名前が写っていた。

…彰人くん。

私はそっとスマホのロックを解いた。

『今日、どうしたの?』

彰人くんからのメッセージの内容だ。
この『どうしたの?』はきっと、今日図書室に行かなかったことを指しているのだろう。

…君との関係性に悩んでたんだんだよ。ばか。

私は不貞腐れて心の中で思う。
しかし、そんな気持ちと裏腹に私の指が打ち込む文字は、

『ちょっと他に用事があったの。ごめんね?」

だった。
彰人くんはすぐに既読がついて、『そっか。』と返ってきた。

…この関係を壊したくないと思うのはわがままなの?