カルーセルには家族連れの人たちが沢山いた。
私達はある家族の後ろに並んだ。
すると、その家族の3歳くらいの女の子が、

「わー!おうじさまだー!」

と、彰人くんを見て言った。
やっぱり、そう思うだろう。私もそう思う。
家族のお母さんは、

「あー!こらこら。…すみません。」

と言った。
でも、女の子は続けて、

「じゃあ、こっちのひとはおてつだいさん?」

と言う。
それは私に向かって言っているのだとすぐに気づいた。
やっぱり、子供の目から見ても、私達って釣り合って無いんだなぁ…。
少しへこむ。

そんな私を見て、弥生くんは、ぷっ、と笑ったあと、女の子の前にしゃがみこみ、

「大丈夫だよ。召使いだって、お手伝いさんだって、お姫様になれるんだから、ね。」

と言った。
そのセリフに、女の子は、よくわかんない、と言っていたが、私はその言葉に顔がボンっと熱くなる。

家族のお母さんとお父さんも少し照れてた。