私は彼とあくまでも友達になりたい

ピストルの音が鳴る。
一組と二組が第一走者の段階でトップ争い。それに続く形で、他の組が走るという図になっている。

隣からは菜穂ちゃんと蓮美ちゃんの応援の声が聞こえる。

私は、二組だけど一組の応援もしていた。
彰人くんが負けたら私たちは終わりなんだよね?
それは嫌だ。

もちろん福井くんのことは嫌いじゃない。むしろ好きだ。

だけど…けど…。

私は彰人くんが好き。ただそれだけなのだ。

そう思った瞬間。第四走者にバトンは渡された。