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side 弥生彰人

──西窪梨花さん…ね。

俺は一人の帰り道、さっきまで一緒にいた女子のことを考える。

彼女とは、何度か廊下ですれ違ったことがある。
元気な子、優しい子そんなイメージだった。

今日話した感じでも、そのイメージは変わらなかった。
ただ、平凡なんだけれども、人を惹きつける何かを持っている、不思議な子だと思った。

俺の周りには中々来ないタイプだ。

だからか、俺にしては珍しく話しかけたり、帰り際少しからかってみたりもした。

結構、次の委員会も楽しみかも…?

俺はそんなことを考えて空を見上げた。