私は彼とあくまでも友達になりたい

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私は唖然としながら、自分のテントへ戻った。
福井くんが隣にはいる。

「ちょ、お前、西窪のことが好きだったのかよ!」

男子が福井くんに声をかける。

「そういうの、やめてくれよ…」

横で福井くんが頭をかきながら言った。

「ちょっと梨花!彼氏って誰なの!」

私は女子から質問攻めに合う。

「えっと、それは、彼氏との約束で秘密ってことにしてて…。」

私は慌てて、言った。
女子のみんなは、「そっかー、なら仕方ないね」と納得してくれた。
優しい人ばかりでありがたいと思った。

今から長縄らしく、長縄の子がみんな待機場所へ移動するという。

私は、がんばって、と心の底から言いながらも福井くんのことを少し考えてしまっていた。