私は彼とあくまでも友達になりたい

でも、いくらぐるぐるの脳で考えても、私の答えは同じところへ戻って来る。

「…付き合ってる人がいるのでごめんなさい。」

私もマイクを通して言う。
私の声にまた歓声があがった。次はドンマイコールが起こる。

「…そっか」

福井くんはそう言った。

運営委員の人がマイクを回収していく。
私は何となく気まずくて、下を向いていた。

すると、福井くんは私の耳元まで顔を近づけて、


「…俺、やっぱり諦めてないから。」


と言った。
私は、その言葉にびっくりして顔を上げた。

そこには、微笑む福井くんがいた。