精一杯 失礼にならないように 気を配って。


何か 言いたげな タケルとは 

目を合わせずに…


多分 宇佐美さんは 何かを 感じている。

でも 回りを 白けさせない程度には

普通に 話すことが できたし。


私には 上出来な 2時間だったと 

自分を 褒めてあげたい。



会が お開きになると

私は 逃げるように 帰って来た。




アパートに着いて まもなく。

タケルから ラインが 届く。


『お疲れ様。もう 着いた?』


タケルは どういうつもりで ラインを?



成り行きで ラインのIDを 全員で交換したから。


タケルと 別れた時に お互いに 消し合った 連絡先。

4年経って また 繋がってしまった。



このラインを 無視するべきか 否か。


返信しないことも 酷く こだわっているようで。


『こちらこそ。お疲れ様でした。』

私は 定型文のような 堅い言葉を 返した。


『驚いたよ。まさか あず美に 会うとはね』

『はい。でも 元気そうで よかったです。』

『どうして 敬語?』


当たり前でしょ!

私達は そういう関係なんだから。


精一杯 譲歩して 返信しているのに。

馴れ馴れしく しないでほしい…


でも よく考えれば 敬語って 変かも。

元カレって いうことを 除けば

私達は 大学の 同級生なんだから。


何だか モヤモヤして ラインを 中断していたら

タケルは いきなり 電話を掛けてきた。