「実は 夏休み 上原さんに 旅行に誘われていて…」


私が 思い切って 言うと 

3人は 歓声を上げた。


「いい。いい。行きなさい。」

「そうだよ。そうすれば 吹っ切れるって。」

「うん。考えるより 行動だって。あず美は 頭でっかちだから。」


あれから 何度も 上原さんとは 会っているけど。

上原さんは 手も繋いでこないから。


タケルは 再会した途端に 私の肩を抱いたけど。


大切に 思われているのか。

そういうことに 無頓着なのか。


私は それさえも わからなかった。


「上原さんって 何才だっけ?」

「3才上。」

「じゃ 28才か。きっと あず美のこと 真剣に 考えているんだよ。」


さくらに 言われて 私は 首を傾げる。


「結婚とかも 視野にいれてるんじゃない?その年なら。」


反応の鈍い 私に 呆れた顔で 芙由子が 付け足して。


「えーっ? まだ 付き合った ばっかりだよ?」


「だって もう 何回も 会っているじゃない。」

「そうそう。あず美のこと 大事にしたいんじゃない?」


付き合うって 言われた後も 

上原さんの 態度は 変わらないのに。


結婚とか 言われても 私は 全然 ピンと来ない。


「実は 少し 迷ってて… 本当に これでいいのか。」

私が 言うと 3人は 顔を見合わせた。


「大丈夫。いつまでも 足踏みしてないで。前に進んでごらん。」

「エッチすると 変わるから… 女の子って。」

「うん。あず美の不安とか 正直に 話してみたら?きっと 上原さんなら はぐらかさないで 答えてくれるよ。」


「みんな 上原さんに 会ったこと ないくせに…」


3人の勢いに 圧倒されて。

私は 小さく 呟いた。