「なぁ あず美。とにかく 一回 会おうよ。」

「とにかく…?」


「こうやって 電話だけしてても 話し 見えないし。」

「タケル 私と会って どうするの?」

「メシでも 食おうぜ。」

「だから!そういうことじゃなくて…」


「じゃ 言うけど… 俺 もう一度 あず美と 付き合いたい。」

「……」

「駄目かな?」


「本気で 言ってるの?」

「もちろん。俺 あの時のことも あず美に ちゃんと話したいし。あず美を 傷付けたことも きちんと 謝りたい。」

「今更…?」

「あの時は 俺も 意地になっていて。あず美の気持ち 考えてやれなくて… 俺 酷いこと したよな? あず美に…」

「私 あの時 すごく辛かったんだよ?タケル わかってる?」

「あの時は あず美のこと 考えてやる余裕も なかった…俺。本当は 俺も 辛かったんだ。あず美と別れるなんて 俺だって 考えてなかったんだ…」


「都合の良いこと 言わないで。もし 後悔したなら あの後すぐに 私と 話し できたじゃない?同じ大学に いたんだから。ずっと 何も言わないでいて。やっと タケルとのこと 吹っ切れたのに。今更 蒸し返さないでよ。」


「本当に 吹っ切れたのか? あず美…」

「……」


「明日の7時に 渋谷で 待ってるから。いつも 待ち合わせした所で…」

「私 行かないわよ?」

「あず美が 来るまで ずっと 待ってるよ。」


ずるい… 

そんなこと 言われたら 私は 行ってしまう。