大河内幸也は、ニヤリと不敵の笑みをこぼすとそのまま行ってしまった。
 唖然とするが、どうやら本気らしい。

彼は、よく分からない……。
 カッコいい台詞を言ったと思ったら諦めてないと言ったり、違う意味で危険な男には間違いけど……。

何処まで信じていいか分からない。
 モヤモヤしていると後ろで硬直していた鬼龍院さんがテーブルのところに行きUSBメモリーを取った。
 鬼龍院さん……!?

「これ……本物だね」

 鬼龍院さんの言葉に驚いた。
えっ?本物って……どうして分かるの?
 私が驚いていると鬼龍院さんは、USBメモリーを見つめていた。

 「大河内幸也は、代償を払わないとデータを渡さないで有名なやつだ。だがその情報力は、正確で相当なもの。
 そのため顧客が多く居る。
その男が無料でデータを渡すってことは、それだけ譲れないものがあるってことだ。
 これがあれば伊崎組を一気に叩ける。
そのためにもこれを利用することにする」

 鬼龍院さんの表情は、真剣で若頭モードになっていた。
それが本気だと理解する。
 大河内幸也の譲れないもの……それも気になったが、それ以上に大事になっていた。

 ヤクザ同士の争い。
一歩間違えたら事件や大変な事態になるかもしれない。
 そう思えたら不安になってきた。
鬼龍院さん……怖くないのかしら?
 不安に見ていると鬼龍院さんは、クスッと笑ってくれた。

「今日は、もう遅い。
部屋を用意させるから泊まって行って」

 えっ?泊まり……?
フッと時計を見るとすでに日付が変わっていた。

 ど、どうしよう。
本当に鬼龍院さんの自宅に泊まらせてもらってもいいのかしら?不安でしかなかった。

 しかし、こんな時間に帰る訳でもいかずに結局
鬼龍院さんの自宅に泊まらせてもらうことになってしまった。
 緊張と不安になっていると部下の男性がお風呂にどうぞと案内してくれた。

 戸惑いながらも浴室に向かった。
中に入るとす、凄い……。自宅に露天風呂があった。
 しかも広々としていて庭の景色も最高だ。
もちろん周りには、囲いがしてあるため外からは見えない。
 本当に何処かの温泉旅館でも宿泊している気分だった。

 かけ湯と軽く身体を洗うとお風呂に入ってみた。
うぅっ……疲れが取れるわ。
 色々と驚くことが多すぎて疲れてしまった。