「へぇ。体育会系だね」


オレと同じような感想をヤマジが漏らした。

すぐ隣でカナコもうんうんと頷いている。


「北野さん、陸上部やったらしいよ」


そう言われてじっくり彼女の顔を眺める。

そして、3年前の記憶と照らし合わせてみる。


覚えているのは、走り去る後姿。

髪型はショートカットでまさにこんな感じだった。

ピンッと伸びた背筋やしなやかな脚は、陸上部だということを物語っていたような気がする。



「うん。この子や……多分」


確信はないけど、そんな気がする。

あの時タオルを貸してくれたのは、多分、この北野典子だ。


「会えるかな……」


オレは写真を手に取り眺めながらポツリとつぶやいた。


「ほんとに縁があれば、いつか会えるんじゃない」


ヤマジがそう言って微笑んでいた。


「うん」


なぜかその時オレは、いつかきっと彼女に会える――そんな気がしていた。