キミだけのヒーロー

なんて、オレは鼻の下を伸ばしてそこに見入ってしまった。


―――パコンッ


え?


「きゃ―――! 大丈夫?」


どうやらサユリの投げたボールはオレの頭に直撃したらしい。


「い……つぅ……」


ずいぶん遅れて痛みを感じたオレは、頭を押さえる。


慌てて、サユリはオレの元へ駆け寄ってきた。


「ごめんね? 大丈夫?」


「あ。うん。大丈夫やで。全然平気!」


おれはガハハと笑った。

つか恥ずかしい……。

まさか、スカートの中を覗きたくてボールを見ていなかったなんてとても言えない。

ハイ。男ってこんなもんです。