キミだけのヒーロー

と言ってもさっきから、イマイチ勉強には集中できずにいる。

それはサトシも同じで、ヤツはさっきから携帯でメールばっかやってる。


いったい誰とメールしてるのか?

なんて野暮なことは聞く必要ない。

相手は女であるに違いないのだから。


そんなサトシを眺めながら

『どいつもこいつも色気づきやがって!』

なんて三流ドラマみたいなセリフを心の中でつぶやいてみる。


そしてちょっと拗ねてみたりもする。

オレは彼女なんていらねーもん。

サッカー一筋!

ボールが恋人さ!


なんて……




くそぉ……


オレだって。

ほんとは……



「女ほしぃ……」


「はぁ?」