「おー! こっち、こっち!」


手を上げてシィに声を掛ける。


「遅かったなぁ。もう、昼休み終わんでー。何してたん?」


「エッちゃんの雑用係」


そう言いながら、シィはドカっと腰をおろした。


エッちゃんというのは、シィのクラスの担任。

そう言えばクラス委員をやってるって言ってたな。

こいつって、何かと役を引き受けるんだよなぁ……。

好きでやってるわけでもなさそうだけど、断れない性格なのかもな。



昼休みの残り時間もあとわずかだ。

シィは席につくなり、手にしていた焼きそばパンのビニールを開けた。


「あー。めっちゃ腹減ったー。いっただきま――……」


そう言って、シィがパンを頬張ろうしたまさにその時。


ガタンッ……という音とともに、オレの斜め前に座っていた、ちぃちゃんが立ち上がった。