まったく、こいつはなんでこう騒がしいのだ……。


そして当たり前のように、オレが見ていたテレビのチャンネルを変えやがった。


「お前、何すんねん」


オレはパコンとマキの頭を叩いた。


「だってぇー。今日、リカコちゃんがゲストやねんもん」


「リカコ?」


「お兄ちゃん、知らんのー? これやからオヤジは嫌やねん」


「オヤジって言うな」


「楠木リカコちゃんやん。今一番注目されてる若手実力派女優やねんで。今度ハリウッド映画にも出るらしいねん。あたしと同い年やのに、すごいわぁ」


マキは憧れの眼差しでテレビ画面を見ながらオレに説明してくれた。


「へぇー」


テレビでは朝のワイドショーがやっていた。

司会者の横には、大きな目が印象的な可愛い顔した女の子が座っていた。


どうやら彼女が楠木リカコちゃんのようだ。