「ねぇ、未莉、」

「どうした?そんな暗い顔して、海奈らしくないよ?」

「私ね、好きな人が出来たんだ」

「え、誰?もしかして、須藤君?」

確かに須藤君は顔もいいし優しいけど、違う。

「違う」

「じゃあ誰?」

「私の好きな人は海人」

そう言った瞬間、未莉の顔が固まったのが見えた。

「え、」

「本当に?」

「うん」

そしたら、未莉が急に笑いだした。

「え、なに?」

「じゃあ海奈が初めての恋のライバルだね!よろしくね!」

予想外の言葉に驚きが隠せない。
もっときつい言葉が来るんじゃないかと思って、覚悟をしてたのに。

「え、なんで…」

「なんでって?」

「なんで?悲しくないの?」

「そりゃ悲しいけど、でもライバルがいるんだったら、海奈で良かったよ」

めちゃくちゃ嬉しくて涙が出てきた。

「ちょ、なんで泣いてるの!?」

「だって、嬉しくて、、」

「そんなに?」

「うん!、、」

親友が未莉で良かった、、。
そう思えた瞬間だったし、私達の友情がもっと深くなった瞬間だった。