余裕なきみにチェリーランド




ナナハラ モモハ、世界で一番すきな単語。
そのたった七文字が今の私をつくるほとんどだ。

七原桃葉、春咲紡
七原紡……。

勝手に桃葉くんの苗字と私の名前をくっつけて、また『きゃあああ』と叫び出しそうになった。なんとか堪えたよ。ぎりぎりセーフだ。

あのね、好きだよ。

桃葉くんへの溢れ出す気持ちは複雑で、ぐるぐるしていて、でも集約すると「好き」ってたったひとこと、シンプルな言葉に回帰するの。


「はー、桃葉くんの彼女になりたいよ」


見ているだけで、同じ空間にいるだけで、話せるだけでじゅうぶん幸せだって、もう思えないかもしれない。どんどん欲張りになって、もう手遅れだ。私、桃葉くんのとくべつになりたい。

私はもうこんなにも桃葉くんが好きで好きでたまらなくて、それは私だけの秘密――――などではなく、けっこう口から飛び出しているのである。桃葉くんをいざ目の前にすると、理性も飛んじゃうっていうか、我慢できずに好き好き攻撃しちゃう。だからもう、じゅうぶん伝わっているはずなんだけど。


『今日は一段とうるさいよ』

うーん、桃葉くんはこれだからなあ。

――――え、脈なしだって?ううん、そんなの絶対認めない!

だけど、だけど、だけど。


「どうしたら、桃葉くんって私のことを好きになってくれるのー!?」