「じゃあまた明日ね、緋和ちゃん!詳細はまた後でLINEしとくから〜!」




なんて、ミキさんはルンルンで帰っていった。




…これでよかったのかな。


数合わせとはいえ、合コンなんて行ったことすらないのに。





そもそも私が知らない男の人とそんなに話せるの?


いや、無理でしょ…




ガチャ

「ただいま…」




パチッと電気をつけて靴箱の上に家の鍵を置いた。




結局私は進級に合わせて春から一人暮らしを始めた。


安くて古いワンルームアパートだけど、これならお父さんたちの仕送りを使わずに自分のお金でやりくりできる。



帰ったらポストのチラシから特売を探すこの時間この生活はもはや主婦のそれだと思う。





ピローン


〈ミキさん:明日は18時に駅に集合ね!相手はほとんど社会人だし、緋和ちゃんは20歳の設定でよろしく!〉




かわいいスタンプが添えられたそのメッセージを見て私は考えた。



姿見に映る私は制服、スッピン。


大学生に見えるほど大人びてもないし、大丈夫なのかな…?




とりあえず、明日は最低限のお化粧と大人っぽい服を着ていこう。




ミキさんにいい人が見つかりますように。


なんて祈って、私の1日は幕を閉じた。