「──わ…緋和」


「ひっ…!」




パリーン!!!



突然耳元で聞こえた声に驚いて私は拭いていたお皿を床に落としてしまった。




「ひってなんだ、俺は変質者か何かか」



「ご、ごめん…おどろいて」




私は翠の顔が見れなくてそのまままお皿の破片を手で拾い集めた。




「おい」



しゃがんでいた私の手を引くのなんて、一人しかいなくて。



「手、ケガしたいのか?掃除機使え」



「う、ん…ごめん」




なんだ、心臓止まるかと思った。


翠の顔を見ると、さっきのことを思い出して…



ああもう、らしくないなぁ私。



人にこんなにかき乱されるなんて私らしくないよ。


何も考えないで冷静でいることは得意だったはずなのに。