「翠〜、お風呂出たよ。温め直したから早く入ってきなよ」


「……」




濡れた髪のままリビングに戻って声をかけると、ソファにいる翠からは反応無し。




え、ノーリアクション?無視?





「翠?」




さすがに無視はひどくない?


なんて翠のいるソファに近寄ると。




「す……い」




そこにはテレビを見たまま眠ってしまったであろう翠がいた。



なんだ、無視されたわけじゃなかったのか。


なんて少し安心した。




テーブルに置かれたコーヒーも冷めてしまっているし、結構寝てるんだろう。



起こしても、いいよね。




「翠、起きて。お風呂上がったよ」


「…」





声をかけても無反応。


そういば低血圧だから寝起き悪いって言ってたっけ。



いつも起きてくるのが遅いのもそのせいだって。