【緋和side】

── カランカラン…


「いらっしゃいませ〜…って、その制服。翠が言ってた緋和ちゃんか?」




お店に入って中の様子を伺った時、カウンターの向こうにいた男の人と目が合った。


ニコッと笑ってカウンターから出てくるその人はとても優しそう。




「もしかして、名刺の…」



「マスターの菊沢だ。キクさんって呼んでな!君が緋和ちゃん?」


「はい。相楽緋和です。こっちは友達の高梨円香です」




軽く自己紹介をするとキクさんは私と円香をカウンター席に案内してくれた。


ブラウンとホワイトでまとめられたオシャレな店内。


流れているBGMはクラッシック。



路地の奥、目立たない場所にあったこのカフェは知る人ぞ知る穴場カフェのようだった。




落ち着く…




「ココアとコーヒー、どっちがいい?紅茶もあるけど」




キクさんが広げて見せてくれたメニューにはたくさんの種類のドリンク。




申し訳ないけど違いが…分からない。