少し口の中ピリピリする。

炭酸きついなぁ。





でもそんな感覚に完全に夢中になってしまったんだ。





カンッ

「あっ」




飲みかけの缶をテーブルに置こうとしたら空き缶をてっきり落としてしまった。




よいしょ、なんて屈んで拾って。




あ、床ちょっと冷たくて気持ちいいかも。


なんてそのまま座り込む。





なんか楽しくなってきちゃったかも?なんて鼻歌を歌い始めた時。



ガチャ


「緋和?まだ5時だけど何してんの…って、は?」




寝癖をいじりながら現れた翠は私を見て目を丸くした。




「人の顔みて驚くなんてひどいよ、翠」




むぅっと頬を膨らますと翠は眉間に皺を寄せて。




鬼よりも怖い形相で私にずんずんと近づいてきた。


なんか、怒ってる?




「何してんだよ、お前…」



「へへ、床がひんやりしてて気持ちよくってさぁ〜」




おいでよ、なんて手招きしても翠は座ってくれなかった。



むしろ変なものでも見るような冷たい目。




なんか機嫌悪い…