「翠のばか。ばかばかばーか。私だって翠くらい片手で支えれるもん」


「緋和」




「もう翠には甘えないから」


「緋和」




グイッと顔を正面に向けられて翠と目が合う。


そのまっすぐな瞳に、ずっと我慢していた涙が溢れてしまった。




「翠のば…」




ばかって、もう1回言ってやろうと思ったのに。



噛み付くようなキスで塞がれた私の唇は言葉を紡ぐことが出来なかった。




「す…いっ」




角度を変えて繰り返されるキス。



今までの軽いキスと比べ物にならないそれに私の足はカクっと力が抜けてしまった。




ガシッ


地面に崩れる前にベッドの上の翠に引き寄せられて。