【緋和side】





『人生イージーモード』

なんて、1度でいいからそんなこと言ってみたいものだ。





「緋和ちゃんって可愛いしスタイルいいし友達多いし、本当に羨ましい!」


「私も緋和ちゃんになりたいな〜」


「女の子が欲しいもの何でも持ってるよね!」




そんな言葉は、容赦なく私の心を傷つけていく。


まるでナイフで切られるように、良心がズタズタになっていく。




ごめんね、皆が羨ましがってる私は、本当の私じゃないんだ。


なんて、現実を突きつけるようなことは言わない。


その言葉は、誰も幸せにはしないから。