囚われのお姫様

「とーにーかーくー!あんましつこいと先生呼ぶぜ?」

「「「チッ」」」


最後に舌打ちを残し男たちは去っていった。

だっせー。


「もう大丈夫だ……ぜ…………って」


後ろを振り返りながらもう大丈夫だぜって言おうとしたら。

サラサラの黒いポニーテール、青く丸い瞳の……。


「舞姫?!」


あの学園1の強能力者、舞姫だった。

驚いてるのかただでさえ丸い目をもっとまん丸にして俺を見つめ固まる舞姫。


「あの、大丈夫っすか?」

「……あっ……綾瀬(あやせ)、くん……?」

「綾瀬??俺は綾羅木 大悟っすけど……ってちょ!?」


俺の問いかけで我に返った舞姫は、徐々にその表情を歪めていき泣きそうになる。


「え、え?!どしたんすか?!俺なんかまずいことしちゃった感じっすか?!」

「いえ……いえ……。なんでもありません」


なんで泣いてんだろ。

胸が、ザワザワする。

誰がこの子に、こんな顔させてんだろ…………ムカつくなあ。

俺の中の、よくわからない部分がそう叫んでいた。


「とりあえず、ハンカチどうぞ。えと俺でよければ話聞きますよ?」